PK-513LNが自炊に最適な理由
これまで5機種以上の裁断機を利用してきていますが、PK-513LNは自炊目的の裁断機として最適なモデルの1つだと実感しています。
なぜか?
シンプルに言えば、「自炊」は個人レベルのユーザーによるものだからです。
PK-513LNにて、替刃交換が圧倒的に安全に実施できる仕様に大幅変更された理由
この手の裁断機は、もともと、比較的その扱いに慣れた官公庁の職員さんなどがメインの利用者となっていたようですが、ドキュメントスキャナーの進化、タブレット端末の普及などの時代背景とともに利用者層が激変。現在、自炊目的の個人ユーザーが利用者のほとんどを構成することになっています。
個人ユーザーの方々に向け、メーカーさんとして最も重要視したいポイントは、いかに高い安全性を実現するか・・・。これに的確に対応すべく、個人のお客様が安全に利用できる環境を提供するためにLNの開発に至ったとのことです。
プラス社の製品開発の担当者の方へ直接インタビューした際にも強く感じましたが、、高いレベルでの安全を実現するために、このPK-513LN-Aシリーズは、ユーザーを大型の刃によるリスクから遠ざけることを徹底したという印象を持つに至っています。さすがは、日本を代表する文具メーカーだなと思わせる改良です。
PK-513LNは個人のお客様が家庭レベルで安全に自炊利用できることにフォーカスされていて、
- 替刃交換が圧倒的に安全で楽に行える
- 刃物カバーを装着して替刃交換をする形になるので、鋭利な刃先に手が触れない状態が実現
- 使用済みの刃は、そのまま廃棄でき、個人ユーザーから危険な環境を排除した
- ハンドルのロック機能を2重にし、誤操作を防止
- ハンドル部の使いやすさが向上し、よりスムーズな作業が実現した
などが施されましたが、何と言っても、最大のポイントは、他の記事にても解説している、替え刃交換が圧倒的に安全に楽に実施できるようになったことでしょう。
ロック機能が2重になった理由
安全な替刃交換が可能になった仕様改良の他にも、ハンドルのロック機能が2重になる方式が採用されました。
これも、より良質な安全性の確保という観点による改良です。
基本、従来のハンドルロックがかかっていれば刃を下ろすことはできないので安全性はしっかりと確保できています。ただ、やろうと思えば、小さな子供さんでも、ロックを解除することは可能でもあるため、少しでも安全性を高める意味で導入されたようです。
一見すると、赤いプラスチックの器具を解除レバーの部分に、単純に噛ませてあるだけのように見えますが、実際、ひと手間かけないと解除作業ができない状態が実現しています。
この改良は、主に、小さなお子さんによるいたずらや、何かの拍子に解除されてしまったなどの予期せぬ誤操作を防止することを目的としていて、使用者が意図して解除を行わないとハンドル、刃が下りないという状態を見事に実現しています。
業務用だったものが、自炊利用の個人ユーザーの拡大という環境の激変を踏まえ、より安全性を追求する必要があると判断したメーカーの誠実な姿勢が端的に表れている細かい仕様改良と言えます。
刃砥ぎができない仕様にした本当の理由は安全性の重視・・・なのでは?
PK-513LNシリーズは刃砥ぎができない仕様になっています。
これについては、私自身の憶測にすぎないのですが、個人ユーザーの刃による事故発生のリスクを徹底排除したことが最大の理由だろうと考えています。
刃砥ぎができなくなったことだけにフォーカスすると、ユーザーからすれば、刃の寿命が短くなるということに繋がるわけですが、そもそも、個人ユーザーが、通常の包丁よりも大きなサイズの刃物を扱う事自体不慣れなことであり、何らかの事故と遭遇する確率が高くなるリスクは存在しているわけです。
そこで、専用替刃を用意し、刃先は刃物カバーが装着された状態で出荷すれば、ユーザーを危険リスクから遮断することが可能になり、同時に、刃砥ぎ不可能の仕様にする分、替刃の価格を下げることでバランスを取り、徹底して、ユーザーが鋭利な刃による事故と遭遇するリスクを排除したのでは・・・と考えています。
開発担当者さんへのインタビューでも、そのスタンスは十二分に感じましたし、おそらく、こういう考え方が基本的にあったものと思われます。
LN-Aの開発背景
PK-513LN-AはPK-513LNの派生モデルであり、アマゾンモデルとしてAmazon.co.jpだけで販売されている特別機種です。
この開発に至った背景は、やはりアマゾンの方から話があったことで製品化に至ったとのことでしたが、突き詰めれば、自炊目的の裁断機と言えます。
PK-513LN-AとPK-513LNの相違点については、他の記事にてお伝えしていますが、基本的な機能は全く同じです。
単に、色と台座のシルク印刷が違うんですが、色は別として、シルク印刷が碁盤の目のような方眼状になっているのは、まさに自炊に特化したスタイルと言えます。A4とかB5などの寸法の目安よりも、方眼が印刷されている方が、様々な本のサイズを自在に自炊したい個人ユーザーにとっては利用しやすいかもしれませんよね。
公官庁での利用ではなく、個人ユーザーによる利用となれば、使い方、活用方法も、より千差万別な形になるでしょうし・・・。
非常に細かい話になりますが、そう言う意味では、アマゾンモデルであるPK-513LN-Aは、安全性に究極にこだわったLNをベースに、さらに自炊に特化した形になっていると言えるかもしれません。
以上、安全性への徹底したこだわりが現れたPK-513LN(PK-513LN-A)の新仕様について、いくつかの切り口からアプローチしましたが、個人ユーザーが行う自炊作業に最も必要な要素は良質な安全性が確保された環境そのものであり、それが見事に実現された、個人ユーザーによる自炊に最適な裁断機であると実感しています。